地酒と味の探訪記


標高2000メートルの美ヶ原と諏訪のレポート
2017.2.27〜3.3


1日目 2月27日 月曜日 絶えない噴煙





○今回は電車の旅ということで



そういえば、東海道新幹線に乗ったのはいつ以来だろう?
考えても思う浮かばないほど新幹線に乗った覚えがない。
「地酒と味の探訪記」を振り返ってみると、
2008年1月に世界遺産の白川郷へ行った際に乗っていました。
ということなので、東海道新幹線は9年ぶりということになりますね。

今回は比較的朝ゆっくりだったので、早めに出発できました。
新大阪につく前に切符を確認するとなんか予定と違うような。。。
ん?(内心、かなり焦る)
新幹線の時間が早くて、しかも号番号も違っているではありませんか!
ただ、ちょっと早く出発したおかげで予定に影響はなかったものの、
新大阪でのマッタリタイムがなくなってしまいました。
出張ベテラン会社員並の乗り換え術を取得した我々でした。

さてさて、私たちは電車の指定席は車両の一番後ろを予約します。
気兼ねなくリクライニングを倒せること、大きなスーツケースなどは後ろにスペースに置くことができるから。
今回もすべての指定席に一番後ろ席を予約済み。

海外旅行並みの大きなスーツケースをお供に連れて、さぁ出発です。





○名古屋名産



名古屋ではちょっとした目的がありまして、1時間ほど待ち時間があります。
その目的とは「きしめん」を食べること。
1時間という時間制限があるので本当の駅ちかで、きしめんの名店を検索しましたところ、
どうしても行きつくのはJR名古屋駅ホームの立ち食い屋さんという結論になります。
実は各ホームにあるきしめん屋さんもそれぞれ違いがあるとのこと。

いろいろ調べてたどり着いたのはJR名古屋駅在来線3番、4番ホームにある「名代きしめん住よし」。
この2件は店内にフライヤーがあり、アツアツの天ぷらを提供できるとのこと。
さらに地方路線のため乗客も少ないのでゆっくりできるらしいです。












普段は甘いものをあまり買わない私たちですが、
急にういろうを次の電車の中で食べようということになり、
高島屋名古屋店の地下街をウロウロ。
どこの店もういろうは一本売りばかり。
なぜ、一口サイズのういろうはないのだろう?
かわりに桜餅やヨモギ餅、三色団子と春の三大和菓子を購入。
・・・旅行のテンションは怖いものです。



○つたや季の宿風里



今夜のお宿は御嶽山の麓にある開田高原のつたや季の宿風里さんです。
木曽福島駅下車、開田高原方面行きの路線バスに揺られること30分。
木曽馬の里入り口というバス停で下車。
路線バスは200円ですが、タクシーだと7千円くらいかかるそうです。
公共の交通機関はありがたいものです、ほんとに。
バス停から宿の送迎で数分で到着です。








お宿は観光スポットでもある木曽馬の里にあります。
近くには蕎麦打ち体験や木曽馬の乗馬体験などもできるところで、
春から秋にかけては花や蕎麦、野菜やフルーツの畑が広がるとのこと。
今年は日本海側は大雪に見舞われていますが、長野県に限っては雪が少ないみたいです。
例年ならまだまだこんもりと雪が積もっているしツララも長い時期だそうです。
実際、今日はポカポカな小春日和という感じがします。

現在、大浴場を大改装工事を行っているとのことで、
浴場が男女入れ替わり制になっており、その分宿泊料がお安くなっています。
それだけでも随分とうれしい限りなのですが、
本日の宿泊者は私たち一組だけとのこと。
ですので、大浴場は自由に入り放題の貸切という耳を疑うようなお言葉。
お安いは自由に入浴し放題で、逆に申し訳なく恐縮してしまいます。












ウエルカムドリンク




お部屋は1階の洋室。
半分ですが、御嶽山が見える場所で、窓も全開すると開放感があります。








部屋から見た景色




○木曽馬



チェックイン後は隣接している木曽馬の里までお散歩。
御嶽山を眺めながらの散歩はとても気持ちがよく、耳を澄ませば小鳥やキツツキの木を突く音が聞こえます。

宿り木といって、枝に落とされた小鳥たちの糞に混じった植物の種が芽を出して、
そこから育っていき、鳥の巣のように育っています。
あちこちに宿り木が見られることから、小鳥がたくさん生息しているのだろうと思います。










ここでちょっとアドバイス。
木曽馬小屋は自由に入ることができますが、
お仕事されている方にお声がけを忘れずに。
作業の邪魔にならないようにね。



木曽馬は日本在来の馬のひとつで、
北海道の道産子と九州宮崎の御崎馬と木曽馬で日本三大在来種と言われてます。
木曽馬の特徴は、 まず小型の馬で、胴が長くお腹が大きい。
そのために草類の食物繊維が消化できるようになっており、少量の食糧でも大丈夫。
また背が小さいわりに体が太くて内臓も強く、病気になりにくいとされているそうです。
性格はとにかく温厚で従順。
また。粘り強くて、賢くて、働き者。
という具合にすごく農耕民族にはありがたいお馬さんです。

このあたりは春から秋にかけて放牧していますが、
冬の間は運動させるために外を歩かせるくらいなので、馬小屋で馬を見ることになります。
ちょうど私たちが行ったころに運動から帰ってくるところでした。
木曽馬のつぶらな瞳に鷲掴みされた私たちでした。















夕方、宿からみた御嶽山はダイアモンド御嶽で、美しかった
宿のご主人に話しをお伺いすると、
2年前の御嶽山の噴火からいまだに風評被害的な状態が続いているとのこと。
御嶽山の噴火のごく一部だったため、反対側は全く問題ない状態らしいのですが、
やはりあんな大きな噴火で被害者がたくさん出てしまうと、その周辺すべてに観光客の足が遠のくそうです。
それはここに限ったことではなく、宮城や福島、熊本なども同じように観光客が寄り付かなくなってしまうのでしょう。
ボランティア活動はできないまでも旅行なら行くことができるのにと少し反省しました。










○夕食




 冬の三種盛り(すんき漬け・スモークサーモン酢〆・ワカサギの玉子豆腐)、河豚の煮こごり、ミニトマト釡など


 冬野菜とエビの蕪すり流し


 スモークサーモンと生ハムのサラダ


 冬野菜の生姜あんかけ


 風里鍋(地鶏のつみれ・かんぱち・きのこ・野菜など)


 


 野菜にぎり寿司


 抹茶アイスときな粉プリン


基本的に地場産の優しい野菜中心でした。
旅行初日の夜にピッタリのヘルシーな夕食でした。




○風呂



これらの大浴場や露天風呂が貸切状態なんて、
なんて贅沢なことでしょう。











夜、御嶽山をバックに星空を撮りたかったが、雲が出たので見えなかったのが残念。




つたや季の宿風里













2日目 2月28日 火曜日 美酒に浸たる





○今朝も御嶽山がご機嫌さん



昨夜は星が出ていませんでしたが、今朝は真っ青な青空。
御嶽山も噴煙が出ているもののご機嫌のご様子。
御嶽山を見ながらの朝食も朝食後の散歩も気持ちがよい。
こんなゆったりとした朝を満喫できるのは本当に贅沢だと思う。



















チェックアウト後、木曽福島駅まで送迎していただけることはとても助かります。
JRで木曽福島から上諏訪まで向かいます。




○そばごころ小坂



今夜のお宿は上諏訪駅前あるステーションホテル。
まずそこでスーツケースを預けてからそばごころ小坂さんへ。

ホテルに近いということでのチョイスでしたが、美味しいおそば屋さんでした。
ひっきりなしにお客様がいらっしてましたが、
狭い店内のため断られたお客さまが続出していました。
思えば、予約せずにタイミングよく入ることができたものです。

ちなみにこちらのお母さんがかなり腰の低い方で、
こっちも負けずにペコリm(__)mの連発で対抗しておりました。











○諏訪五蔵



上諏訪駅東側の上諏訪街道にはわずか500メートルの距離に5つの酒蔵が立ち並んでいます。
舞姫・麗人・本金・横笛・真澄の五蔵です。
毎年3月にはこの5つの蔵の「呑みあるき」というイベントが開催され、
全国から何万人もの酒好きが集まるそうです。
横笛の酒蔵の方にお聞きしましたところ、
このイベントでは一杯飲むのに随分と並ばないといけない。
また、あたりで酔っ払いが続出し、周りの住民にも迷惑がかかってしまうとのこと。
それならと、イベントだけではなく、
随時酒蔵めぐりと称してお酒を楽しめるようにと始またのがこの「ごくらく酒蔵めぐり」だそうです。

まず、どこの酒蔵のでもよいので、酒蔵めぐりのごくらくセットを1800円で購入。
そのセットの中には専用のグラスとスタンプが入っています。
各蔵へ訪れてスタンプを押してもらい、専用のグラスで各蔵のお酒を試飲できるというシステムです。
そのセットが高いとみるか安いとみるかは意見が分かれるかもしれませんが、
各蔵一合近くは飲ませていただけるので、かなりお得な感じがするのですがいかがでしょうか。
といいますか、飲兵衛たるもの気持ちよくお酒を飲みたいですからね。






諏訪五蔵



さて、駅から歩いてまず最初に現れたのが「舞姫」。
意気揚々と蔵入りしたものの、倉庫のほうへ入ってしまい、ついこちらへと案内される。
こちらでは舞姫と翠露という銘柄をメインに扱っており、
舞姫は地元のスーパーやお土産屋さんへ。
翠露は飲食店や地酒屋さんをメインに卸しているとのこと。
今の時期は搾りたてをいろいろと飲むことができるのがうれしいところ。
搾りたてなのでフルーティーさもありますが、酒質はどれもあと口に辛さが残るよう。
そのあと口の辛さが料理に合わせやすそうです。

私たちだけだったこともあるでしょうが、
サービスしてくださった中村さんがよくお話しをしてくださりました。
長野県は酒蔵の数が1位の新潟県に次いで第2位の県だそうです。
ところが日本酒の生産量ではトップ10にも入りらないとのことで、
つまりは小規模生産の蔵元が非常に多い県ということ。
それほど長野県は地産地消の率が高そうです。

私ども兵庫県のこともよくご存じで、
ローカルなお話しもいろいろとさせていただきました。

結局8種類ほどいろいろと出していただき、
1蔵でこのペースだと5つ目にはヘロヘロになることは明らかです、はい。







中村さん、ありがとうございました。



舞姫






舞姫の蔵からわずか先に麗人があります。
こちらは地ビールや焼酎など幅広く作られている蔵です。
各お酒の試飲はセルフサービス形態。
お土産屋さん兼試飲スペース的な感じで、これといって蔵人と話しをするといったことはありません。
ある意味、自由に飲めるので居心地がよい方も多いと思いますが、
やはりいろいろと話しを聞きたい気がします。






麗人






さらに50メートルほど先には本金と横笛が向かい同士で建っています。
まずは同じ並びにある本金酒造へ。
こちらは昔ながらの造り酒屋のままの事務所を兼ねたところで試飲できます。
ちょうど作業中だったため、そんなにお酒の説明もなかったのですが、
もともと寡黙な方なのか、そんな感じも嫌いではありません。








本金






向かい側にある横笛さん。
こちらでは横笛という名前の由来について、教えてくださいました。
そもそも楽器の横笛だと思っている方が多いとのことでしたが、ある女性の名前だそうです。
知識がないと楽器の横笛だと間違いなく思ってしまいます。



平家物語「瀧口入道と横笛」

横笛は平家物語にも登場する女性。
高倉天皇の中宮(今でいう皇后さまのこと)だった平徳子(建礼門院)の官女だったのが横笛。
平重盛に使える斎藤時頼は横笛に惹かれますが、身分の違いから猛反対にあい、
横笛への思いを断ち切るために時頼は出家します。
横笛は時頼の猛アタックに所詮は遊びと本気にしなかった様子。

ところが、時頼が出家するほどの思いだったと知った横笛は許しを請うが時頼は昔のことと取り合いません。
そして、叔母のいる奈良県の法華寺で尼僧になる決意を決めます。
とある日、時頼が高野山で修行しているという情報を聞き、女人禁制の高野山に一番近い天野の里へ移り住みます。
時頼は横笛が尼の道に入ったこと、天野の里にいることを知り、手紙を送りあうようになりました。

しかし、厳しい修行もあり、横笛に病魔がおそい、19歳でこの世を去ってしまいます。
横笛だと言われているお墓が和歌山県かつらぎ町の天野にあるとのこと。

横笛は亡きあと、鶯になって時頼に会いに行ったいいます。
そのとき、時頼は高野山大円院の第8代目住職、瀧口入道になっていました。
ある日、梅に枝に留まっていた鶯がじっとこっちを見つめていました。
すると羽ばたいてすぐに井戸に落ちてしまいます。
思わず「横笛!」と叫んだそうです。
時頼は鶯の亡骸を胎内に収めて阿弥陀如来像を掘ったそうです。
その像は鶯阿弥陀如来像として大円院の本尊として伝えられています。
また、大円院では梅の木のことを鶯梅(おうばい)と、井戸のことを鶯井(うぐいすい)と呼んでいるそうです。

この話しを聞いた初代主人がいたく感動されて、後世に伝えるべく、酒名にしたそうです。
出来立てほやほやのにごり酒が甘くなく微炭酸ですっきりしてよかった。











横笛






ほどよい酔い心地での5つ目の蔵は真澄です。
私たちもよく飲むし、いつもお世話になっている地酒屋さんもまた、
古くからのお付き合いとのこと。

真澄は横笛からほんのちょっと離れています。
真澄はご存じのように全国区に知名度のある酒蔵で、
蔵のビジターセンターもとってもスタイリッシュなカッコよさが際立っています。
試飲も札をもらっての順番待ちです。
売店もおしゃれな酒器やおつまみなどが並べられていて、待ち時間も苦になりません。
真澄はよく飲む銘柄のひとつで、冬限定のうすにごりとあらばしりが試飲できました。

真澄という名前は諏訪大社の神宝「真澄の鏡」に由来しています。
昭和21年に開かれた全国清酒鑑評会にて上位を独占したことで真澄の名前が全国に知れ渡りました。
その後、この蔵に住み付いている酵母に注目されました。
実際、真澄のやさしい旨味のある酒質は自家生息している酵母によるところが大きかったそうです。
その後の研究によりこの蔵の酵母が日本醸造協会で培養され協会酵母7号と命名され、
瞬く間に全国の酒蔵がこの酵母を使用し始めました。
「K7酵母」「真澄酵母」とも言われているこの酵母は戦後から昭和中期あたりまで大活躍するわけですが、
今日の吟醸酒の基礎を築いたといってもいいほど幅広く全国で使われました。
最近は協会酵母よりもより個性を出そうと蔵付酵母を使うところが増えてきているそうです。














真澄






今回の「ごくらく呑みあるき」の感想はとても楽しいものでした。
たまたまかもしれませんが、団体旅行にも遭遇せずにのんびりと回ることができました。
各蔵の特徴が十二分に感じ取れ、酒質はもちろん、人もまたそれぞれ個性があって非常に飽きない。
おつまみがなかったのが懸念材料でしたが、蔵人さんのお話しが肴になってよかった。
混雑しているといろいろなお話しは聞けないだろうから、今回はラッキーだったかもしれませんね。






○お味噌屋さん



とってもほろ酔いで諏訪湖あたりに点在するお味噌屋さんめぐりをしようと思っていたわけですが・・・
酔いのせいで、思いのほか足取りが重く、有名なタケヤ味噌会館まで行けそうにありません。
真澄の蔵からタケヤ味噌会館のちょうど真ん中あたりにホテルがあるため、
ホテルを超えてさらに歩く気力がなさそうだということで、ホテルまでにある神州一というお味噌屋さんだけ寄ることに。


 途中に高島城の前を通りました。(歩きながらの撮影し、そのまま素通り・・・)



昔から上諏訪あたりはお酒屋さんやお味噌、醤油屋さんがさかえたところです。
神州一味噌は真澄と同じ宮坂醸造の宮坂家が営む味噌屋さん。
現在は世界各国に支店を置く大きいお味噌屋さんで、数年前にサッポロビールの子会社になったと後で知りました。
趣のある店内でちょっと休憩。






 






○鰻小林



ホテルからはタクシーで鰻屋さんへ向かいます。
ホテルから鰻小林まではタクシー料金は1500円くらいです。
(鰻小林というお店は2件あるのでご注意ください。どっちの?と聞かれます。)
運転手さんも今年は雪が少ないねぇとおっしゃってましたが、例年だとまだ雪景色だそうです。
ほどなく到着。



 


 うざく


 肝焼き


 うまき(2人前より)


 茶わん蒸し


 白焼き


 青竹のお酒/ここにきたら必ず注文するお酒で、とてもおいしいです


 馬刺しもほどよいサシが入っています


 肝吸い


 


 


 




鰻小林




今回で3回目ですが、やっぱりおいしいウナギ屋さんです。
大満足でタクシーに乗り込み、諏訪湖畔で降ろしてもらいました。
湖畔の公園では、ちょっとだけイルミネーションしていて、
夜風にあたりながら酔い冷ましをしながらホテルに戻りました。












3日目 3月1日 水曜日 雪上のキャタピラ





○松本駅そば



予定より一本早い電車に乗って早めに松本駅へ着きました。
松本駅の改札口を降りると西口のエントランスに北アルプスの山々がずら〜っと見渡せます。
まずどうしても探したくなるのが槍ヶ岳。
ちょうど常念岳に隠れるように頭だけ見えるのが槍ヶ岳。
その左へ行くと穂高と乗鞍岳、端には初日に見た御嶽山が見えます。
松本駅2階のエントランスですが、何気に楽しかった。

松本駅前から王ヶ頭ホテルへはホテルの送迎バスで行くことになります。
冬季は車の乗り入れができないため、王ヶ頭へはこの送迎バスしか手段はありません。
松本駅出発の時間は11時45分と15時の2便のみ。
私たちは早いほうの11時45分の便を予約済み。

それまでにお昼をと、松本駅前のバスターミナルの前に小木曽製粉所へ。
こちらは立ち食い蕎麦屋さんなのですが、製粉所が経営しているとのことで、
お安くお蕎麦を提供できるとのこと。
ざるそばが大中小とあり、どれも500円。
あとトッピングに天ぷらがひとつ200円くらいで追加できるというシステム。
ホテルでしっかり朝ご飯を食べたので、中のざるそばとイカ天とエビ天を注文。
立ち食いではありますが、量も十分だし味も500円とは思えないほど。
たぶん、この量だと地元では4倍はしそうな・・・
しかし、いつからなんでしょうか?
子供の頃のお蕎麦とは違うし、国産の蕎麦の実の高騰とかわかるんですが・・・
お蕎麦屋さんって庶民のお店ではなくなっちゃったのは寂しい気がします。。。











○チェックイン



松本駅から王ヶ頭ホテルへは送迎バスで90分ほど掛かります。
事前に松本駅で購入したご当地ポテトチップスが徐々にパンパンになるのがわかります。
段々と高度が上がってくると、北アルプスの山々が近く見えてくるので、
後半は景色を見るのに忙しい。




槍ヶ岳


ホテル到着直前に見えた富士山



13時過ぎに王ヶ頭ホテルに到着しました。
バスを降りるとスタッフの方たちが慌ただしくチェックイン手続きが始まります。
私たちはスイートルームを予約していたため、
混雑したエントランスをそのまま素通りして、部屋でチェックイン手続きができます。
2度目の宿泊なので余計な説明も省き、あっという間にお部屋撮影のお時間になりました。


玄関入ってすぐにダイニング。こちらで食事をはこんでくださいます。




冬にはありがたい炬燵ですが、この部屋は荷物置き場と化しました。










お風呂場からの景色


パンパンに膨れたポテトチップス







○雪上車に乗って



チェックイン後しばらくすると雪上車クルージングです。
いっぱい乗ってくるものかと思いきや乗車人数は私たち含めて4名で出発。





乗り降りはこのように踏み台を使って









この雪上車は実際に南極大陸で使われていたそうで、
なんと国産で1000万で購入したそうです。
この雪上車は古くて1979年製の大原鉄工所製造となっていました。
排気ガスが半端がないくらいすごかった。

今日は雪が少ないけど雪上車で走ることはできるとのことでした。
この雪上車は乗り心地は振動、音ともに抜群の大きさで、臨場感はあります。
新車もあるのですが、馬力はこの旧式のほうがあるとのこと。

美ヶ原を颯爽と走っていき、美しの塔までの往復です。
曇ってはいるものの、広々とした美ヶ原は爽快なものです。






なんでも、美ヶ原では日本百名山のうち、
40以上の山が見渡せるそうです。
百名山の半分近くがアルプスの山々でその中心に美ヶ原があるとのこと。
今日はなんとか北アルプスや富士山が見えましたが、
明日は確実に荒れるらしいので、そうなると何も見えなくなります。
とりあえず今日見れてよかった。


ホテルの裏側すぐのところに最高峰の2034メートルの王ヶ頭があります。
これでもこの王ヶ頭、日本百名山のひとつです。
ちゃんと槍ヶ岳も見えました。
ちゅんちゅんと数羽いた小鳥をうまく撮れたので、スタッフに聞いてみたところ、
イワヒバリという名前だそうで、
高山の岩場にいることが多く、人をあまり怖がらずに山小屋などの残飯をあさることも多いそうです。














○再びホテルにて










雪が少ないのがわかります


 ウエルカムフルーツと持参したシャンパン



王ヶ頭ホテルは温泉ではありませんが、
壮大な山々を眺めながら、お風呂に浸かることができる贅沢さがあります。


 大浴場にて




夕食は部屋食です。


 かぶら寿司/ホタテの西京みそ焼き/リンゴのコロッケ/ゴマ豆腐/セリとカブのお浸し


 ソフトシェルのおろし和え


 ユリ根のフラン


 馬刺し


 岩魚の塩焼き


 福味鶏の葛うち


 信州サーモンと地野菜のミルフィーユ


 金目鯛のしょっつる鍋


 リンゴのピクルス


 信州牛プレミアム牛の赤ワイン煮込み


 岩魚のお茶漬け


 冬のデザート




食事中にアナウンスが流れ、本日は星空がでていないとのことでした。
案の定、夜はガスと雲で全く星はみえません。
雪が深々と降っているような天候。

ホテルの前ではクリスマスツリーのようにライトアップされていました。









王ヶ頭ホテル













4日目 3月2日 木曜日 ユキ覆う大地





○朝食



朝食も部屋食というのはゆったりとした時間を過ごせるものです。
朝ご飯らしい和食にほっこりします。












○とりあえず外へ



今日の予定は一日中美ヶ原をスノーシューでトレッキング。の予定でありました。
ところが昨日の予報通り、本日は雪。視界もなし。気温はマイナス6、7度。
せっかく持ってきたスノーシューを無理やりに使ってみる。








強者が歩いていきます


しばらくすると、早朝の雪上車クルージング隊が帰ってきました。
みると都会のラッシュアワーのごとく超満席。








トレッキングを諦めてコーヒータイムの熟年夫妻












こうも視界がないと歩く気になりません。
というわけで、本日はホテル探索&昼呑みに切り替わります。







○王ヶ頭ホテルのいろいろ






エントランス


エントランス


ウェイティングルーム&ロビー


カフェ


今回は行かなかった食堂


貸切半露天風呂



スイートルームは一階エントランスからエレベーターで地下へ。
そこは3つのスイートとエステルームの4部屋。
そしてフロアにはご自由にお飲みくださいと、リンゴジュースとウーロン茶のセットが置かれています。
今回は2連泊とも私たちだけだったので、部屋のドアを開けっぱなしにして、
フロアまでも自分たち専用にしてくつろがせていただきました。








ホテル探索もほどなく終わり、まだまだ時間がたっぷりとあります。
というかまだお昼時。
外はずっと雪。
持参したワインたちと上諏訪の横笛の酒蔵で購入したにごり酒を飲み始める。
そういえば、行きのバスの中で、こんなことをアナウンスしていたのを思い出す。

高度が高く気圧の関係で、普段よりもよく酔います。
いつものように飲んで急に足腰立たなくなったりということもよくあります。
2日ほど前にも救急車で運ばれた方がいらっしゃいました。
どうかそのあたりをお気をつけてお飲みください。
救急車を呼んでも2時間はかかりますから。
・・・ ・・ ・ そうだ、無理はやめておこう。
と、一口グビッと。











○ようやく夕食のお時間となりました。



はっきり言って私たちはリゾート地なんかで何もせずにのんびりとという時間の使い方ができないらしい。
旅行にきてまで読書とか映画とかに時間を費やせない。
逆に疲れてしまった感が残って、さらに動かないためお腹が空かないという悪循環に陥ってしまいました。



 松本一本ねぎのシャンパンソース/胡桃豆腐/金柑の地鶏詰め/紫芋のコロッケ/信州サーモンの昆布寿司


 岩魚の姿づくりと馬刺し


 真丈(何だったか忘れました)


 安曇野リンゴのグラタン


 信州プレミアム牛のグリル


 お口直しのゆずシャーベット


 銀鱈の中華風カレーソテー


 ホタテごはん


 抹茶ファンダンとフルーツジュレ/王ヶ頭ホテルラベルのロゼワイン



相変わらず星空は出ずじまいでした。



王ヶ頭ホテル













5日目 3月3日 金曜日 太陽の光を浴びて





○朝食



今朝は3時ごろから起きて星空が見えるのか確認をしたが、曇ったまま。
朝焼けが見えるかどうかという6時前にも外へ飛び出すが、曇ったまま。
予報では朝には晴れるとあったが、まだのよう。
結局、意気揚々と三脚やレンズを積み込み星空と雲海を撮影しようと思っていたことが空回りでした。
相変わらず、天候にはやきもきさせられます。


朝食前の外の様子












○垣間見る晴れ間



10時の送迎バスで帰る予定でしたが、昨日があんな感じだったため13時の便に変更。
チェックアウトは11時なので、それまでに荷物をロビーで預けなくてはいけません。
とりあえず、11時まで王ヶ鼻というところまで歩いて行ってみました。
本来ならスノーシューがいるところ、雪が少ないところ昨夜降ったために、
ちょうど滑らずにブーツでいけるとのこと。
徐々に明るくなってきている空。
王ヶ鼻までは30分くらいの散歩コース。
まだ誰も踏み入れていない道に足跡をつけていくのは、ちょっとした快感です。
途中、野鳥の声を聴いたり動物の足跡をたどってみたりと、
昨日できなかったことを短時間で堪能しているよう。














野鳥が2羽



晴れてくると思うとまた雪が降ってきたりと相変わらずスッキリはしない。
王ヶ鼻では雪が結構降ってきました。
本来なら北アルプスと下界は松本市内が見渡せる眺望の良さですが、
全くもって真っ白。
しばらく待ってはみたものの、晴れる様子もないのでホテルへ戻ることに。



















○チェックアウト後に晴れ間が



一旦、部屋に戻りチェックアウトし部屋をでます。
ホテル前からはちょっとずつ視界が開けてきているのがわかります。
一人旅をされているおじいさまもいろいろと山を登ってきて、
ここは2回目だそうで、今回もいい写真を撮りたいと来たが、
すべてが真っ白でよい写真は望めないと嘆いておりました。
お互い写真好きとしましては天気はめぐり合わせとはいえ、後を引く感じは否めません。





















送迎バスが到着しました




バスが到着したころにようやく晴れ間があらわれました。
ほとんど24時間ぶりの青い空が顔をだしてくれました。
さきほどのおじいさまにこっちに山がみえるよぉってお互い慌てて、呼んだり呼ばれたりと
とにかく一瞬の晴れ間が待ち遠しすぎて・・・








○バスの中から



帰りのバスの車窓からは晴れており、きれいな北アルプスや霧氷のついた木々がはっきりと見えました。
一番良かった景色が帰りのバスから見た景色って・・・
ずっと下り坂のためか、結構なスピードで下っていきます。
とりあえずバスに揺られながらカメラを構えます。
いい瞬間を逃がさず、シャッター音がバスの中をこだまします。











○帰路



松本駅での滞在時間は40分ほど。
急いで駅前でご当地ものを買い込み、
行くときに食べたお蕎麦やさんの小木曽製粉所で今度は大を注文。
やっぱり、こちらのお蕎麦で十分満足できるんですが・・・
この500円ワンコイン大盛りざるそばを食べると高い値段のお蕎麦を食べたいと思わなくなってしまいます。

特急しなのに乗り込みくつろいでいると、木曽福島を過ぎたあたりで急停車しました。
しばらくしてアナウンスが流れ、線路に大きな木の根っこが落ちているとのこと。
安全確認と除去のため約30分遅れで出発。
現場あたりにショベルカーが置いてあり、斜面を掘り返しているではありませんか。
間違いなく、犯人はあなたですねっ!








○おわりに・・・



最近は北陸新幹線の影響で、長野県内に格差が生じているらしいです。
長野駅周辺の野沢温泉や渋温泉を含めて新幹線沿いの観光地に人が流れているそうで、
松本あたりは減ってきているとのこと。
逆に考えれば、これまで長野駅あたりが注目されなさ過ぎたのかもしれませんが。

今回は酒蔵めぐりでの新酒の呑みくらべもとても楽しいものでした。
王ヶ頭ホテルも天気は悪かったものの、大自然に身を置くという意味ではとても満喫できました。
開田高原のほうもいまだに御嶽山の風評被害が残っていると聞くと、
やっぱり応援したくなりますし、福島県や熊本県にもいい温泉がたくさんあるなぁと思い、
次の行き先の候補にいれてみようかしらと。

それにしても信州はやっぱり雪の積もったアルプスが見える季節がいいと思いました。
随分と北アルプスの山々の名前を覚えたし、いつの日か槍ヶ岳を登る日が来るのだろうか?